プレスリリース

“特撮の神様” 創業者・円谷英二が日本人 初VES(Visual Effects Society) 殿堂入り 表彰式 事後レポート

この度、株式会社円谷プロダクション(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 永竹正幸)の創業者である円谷英二が、VES(Visual Effects Society)*の生涯功労賞である“Hall of Fame”(殿堂入り)に選出され、本日表彰式が行われました。過去殿堂入りした映画監督には、ウォルト・ディズニー、スタンリー・キューブリック、ジョルジュ・メリエスなどが名を連ねており、日本人としては史上初の殿堂入りとなります。
表彰式にはウルトラマンとバルタン星人も駆けつけ、会場を盛り上げました。
以下、弊社代表取締役 永竹正幸のスピーチ内容となります。

株式会社円谷プロダクション 代表取締役社長 永竹正幸のスピーチ

皆様、こんばんは。円谷プロダクション社長の永竹です。
本日、円谷英二のVES(Visual Effects Society)殿堂入り(Hall of Fame)という歴史的な瞬間に立ち会わせていただき、大変光栄に思います。円谷英二が60年以上前に創業した円谷プロダクションを代表し、ご家族の皆様、VESの関係者、そしてこの殿堂入りに関わった全ての方々に、心よりお祝いと感謝を申し上げます。

「観ている人たちに喜びや驚きを与えたい。その喜びや驚きを糧に、想像する喜び、未来に向かう希望、平和や愛を願う優しさなどを育んでもらいたい。」円谷英二は、常に作品を通じてこの想いを伝えようとしていました。

この想いを形にするために、彼は「空想の力」を駆使し、1954年の『ゴジラ』や、1966年に始まり今なお続く『ウルトラマン』シリーズなど、革新的な作品を数多く生み出しました。彼の作品は、世界中の映画制作者に多大な影響を与え続けています。

今回の殿堂入りは、円谷英二の功績を、単に技術的な面にとどまらず、国境や時代を超えて未来のクリエイターたちに影響を与え続ける普遍的なインスピレーションの源泉として位置づけ、称えるものです。

改めまして、VES関係者の皆様に感謝申し上げますとともに、この素晴らしい栄誉に心よりお祝い申し上げます。ありがとうございました。

表彰式:2025 VES Honors Celebration

実施日時:米国時間2025年11月7日(金)18時30分から
※日本時間11月8日(土)11時30分から
会場:アメリカ・ロサンゼルス ソニー・ピクチャーズ・イメージワークスMiracle Mile Campus
登壇者:株式会社円谷プロダクション 代表取締役社長 永竹正幸*円谷英二ご遺族の代理として登壇
     ウルトラマン、バルタン星人

VESについて

VES(Visual Effects Society)は、映画、テレビ、広告など、あらゆるメディアにおける視覚効果(VFX)分野で世界的に最も権威あるプロフェッショナル組織で、世界50カ国以上、約5,000名が所属しています。
今年2月には、俳優・映画監督の真田広之氏が「VES Award for Creative Excellence」を、山崎貴監督が「VES Visionary Award」を受賞し、日本国内でも話題となりました。
VES(Visual Effects Society)公式サイト:https://www.vesglobal.org/ 

殿堂入りについて

VESが授与する「Hall of Fame(殿堂入り)」は、VFX業界に永続的な影響を与えた偉大なパイオニアたちを称える、最も権威ある生涯功労賞です。過去には、ウォルト・ディズニー、スタンリー・キューブリック、ジョルジュ・メリエスなどが名を連ねています。日本人初となる円谷英二の殿堂入りは、「VFXの礎を築いたパイオニア」として世界の映画業界にその功績が認められたことを意味します。

円谷英二(つぶらやえいじ) (1901-1970)

「特撮の神様」として知られる円谷英二は、1919年に撮影技師の助手として映画キャリアをスタートさせました。
1923年にカメラマンに昇進すると、当時最先端の撮影技術を探求し、日本映画界初の鉄製の撮影用クレーンを制作しています。この頃、映画『キング・コング』(1933年)に感化された英二は、特殊撮影技術を最大限に生かした作品作りを志向し始めます。その後、彼が在籍したJ.O.スタヂオなどが合併して東宝が設立されると、そこで特撮技術の研究と開発が開花しました。彼は、ミニチュアワーク、多重合成、スクリーン・プロセス、スーツメーション(俳優にクリーチャースーツを着せる手法)、マットペインティング、光学合成など、特殊撮影技術の先駆者となりました。真珠湾攻撃を再現した山本嘉次郎監督の壮大な映画『ハワイ・マレー沖海戦』(1942年)は、国内で大ヒットを記録し、特撮表現の可能性が広く認知されました。英二は戦後もキャリアを積み重ね、1954年に本多猪四郎監督、東宝製作の『ゴジラ』での特撮により、世界的にその名を知られることになります。『ゴジラ』は、劇場映画として史上最長となるゴジラシリーズの礎を築き、史上最高の怪獣映画の一つとして認知されています。彼は精力的に後進の育成や技術継承に取り組み、1963年に自身の会社である円谷特技プロダクション(現:円谷プロダクション)を設立。そこでテレビ番組『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』などのウルトラマンシリーズを立ち上げました。
創業者・円谷英二の「空想の力」は、現在も円谷プロダクションの企業活動の源泉、基盤として受け継がれています。

*参考:創業者 円谷英二について https://m-78.jp/company/eiji/

 

円谷プロダクション

円谷プロダクションは、1963年4月に円谷英二によって設立された円谷特技プロダクションを前身とする、独立系映像プロダクションから発展したグローバル・エンターテイメントカンパニーです。
その歴史は1966年、本格特撮テレビシリーズ『ウルトラQ』で国内に一大怪獣ブームを巻き起こしたことに始まります。同年の『ウルトラマン』で巨大ヒーローが初登場し、個性豊かなストーリーと革新的な特撮シーンで最高視聴率42.8%を記録。続く『ウルトラセブン』では、深化したストーリーや多彩なメカの登場などにより、現在まで続く「ウルトラマンシリーズ」の揺るぎない魅力が築かれました。今やシリーズは世代を超え、映像制作、ライセンス、イベント、配信事業を通じて世界中のファンに愛され、拡大を続けています。
当社では現在、テレビ東京系6局ネットの『ウルトラマンオメガ』や、ウルトラマンシリーズ60周年プロジェクト「with U」を展開中です。また60周年記念作品として、ドキュメンタリー映画(仮題)『THE ORIGIN OF ULTRAMAN 』が2026年公開予定です。
創業者・円谷英二の「空想の力」を基盤に、常に新たな挑戦を続けています。

 

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