円谷プロ創立１０周年記念作として1973年4月より放映された『ウルトラマンタロウ』。放送から４５年を経んとし、毎年新しいウルトラヒーローが登場している現在でも、タロウは子供たちに高い人気を獲得している。その理由は主人公・東 光太郎を溌剌と演じた篠田三郎の好青年像に通じる「前向きな明るさ、ひたむきさ」から醸し出されるシンプルな親しみやすさにある。怪獣と勇敢に戦いつつも、積極的に怪獣を救い、元の居場所に帰したりもする。

そういう強さやハートフルな光太郎＝タロウの特質に、みんなが憧れたのだ。また、毎回のエピソードも東西のおとぎ話などを下敷きにした「童話的世界＝ネオ・メルヘン」というコンセプトにし、どんな恐怖や困難も最後にはタロウが力を揮って収め、「めでたし、めでたし」でドラマが終わる、誰もが安心して見られるエピソードを重ねている衒いのなさという点も見逃せない。真っ直ぐなタロウにみんなが親しみを持った。求められるべきウルトラマンの理想形、それを見事に描き出したのが『ウルトラマンタロウ』なのである。

ウルトラマンシリーズ中、

最も親しみやすいヒーロー！

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『ウルトラマンタロウ』が今なお高い人気を集めるもうひとつの理由として、『帰ってきたウルトラマン』以降に採用されたファミリードラマの要素をさらに押し進め、物語内に「３つの家族」のラインを走らせ、視聴者の子供たちにとって身近な世界観を提示したことも大きい。

１つ目は東 光太郎の私生活で、下宿先の白鳥家で頼りになる兄貴分として家族同然に生活している。２つ目は公務。光太郎の所属する防衛チーム「ZAT（ザット）」には個性的なメンバーが集い、事件に対して皆が前向きに取り組み、互いをカバーし合う家族的ムードに溢れている。そして３つ目はウルトラファミリーだ。愛の象徴・ウルトラの母、強さと優しさの体現・ウルトラの父、時に厳しく教え導いてくれるウルトラ兄弟たち。

この３つのラインが交錯しながら、作品全体的にアットホームな雰囲気が満ち満ちていた。子供たちも「家族」に属している。だからこそ、様々な家族の様相を取り込み、ちょっぴり非現実の物語世界の中でタロウやウルトラファミリー、ＺＡＴ隊員の活躍に共感しながら、自分たちの家族、友達、日々の生活について考えることもできる。そういった縦軸を全編に通したところも『タロウ』の大きな魅力なのだ。

時代の空気感を忠実に再現！

HDリマスター2.0

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ドラマを彩る

「3つの家族」ラインの魅力

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