HD Remaster 2.0 Blu-ray Series

OUTLINES

no1
大いなる分岐点と到達点
『ウルトラマンガイア』は、1998年9月より1999年8月末まで、全51話が放送された。現在"平成ウルトラマンシリーズ3部作"と称される『ウルトラマンティガ』『ウルトラマンダイナ』の連投の後を受けた最終作でもある。昭和のウルトラマンシリーズで培われた伝統の特撮技術に加え、当時躍進著しいコンピューター・グラフィックス技術を大胆に投入した事で、宇宙や異世界などの空間演出、怪獣の表情ならびに形態の自由化、メカの合体変型など、一気に新たな映像表現が切り拓かれていった本作。また、脚本制作についても、ウルトラマンや怪獣の新解釈、登場人物の複雑な心情表現などが意欲的に採り入れられ、それら全てを束ねるベテランから若手監督陣も独自の個性を発揮し、競う様に新たなイメージ創出に邁進していったのである。
そんなシリーズの3作目である『ウルトラマンガイア』は制作上、一旦の区切りを迎える事となり、前2作を凌駕する完成度が目指された。その結果、打ち出された驚くべきコンセプト…それは、初代ウルトラマンを彷彿とさせる赤と銀に彩られたウルトラマンガイアと、全身が深い青に包まれたウルトラマンアグルという、2人のウルトラマンが登場し、しかも彼らは対立関係にあるという前代未聞の設定であった!
これは、特撮を向上させるためのデジタル技術から、ドラマを描くために特撮とデジタル技術をステージアップさせる意識改革の成せるもの。ウルトラマンそのものを既成概念を越えて描こうとする気概が無ければ不可能な挑戦である。『ウルトラマンガイア』は、まさに平成ウルトラマンシリーズ3部作の大いなる分岐点でもあり、到達点でもあったのだ。
no2
衝撃!アグル対ガイア
ガイアは地球の大地の光が生んだウルトラマンとされ、アグルは地球の海の光が生んだウルトラマンとされた。ガイアの光を得た高山我夢(がむ)は、地球のため人類のために特捜チーム「XIGシグ」の一員となって活躍するが、アグルの光を得た藤宮博也は、地球のために人類を排除すべきだと考えて単身、行動を続けていく。共に"地球の未来のために"という思いは同じ。だが、そのための方法論の違いが、物語の世界観や人間関係にも大きな波紋を呼び込み、やがては地球の光が生んだウルトラマン同士が激突する悪夢の様な事態へと突き進んでいく…!?
no3
その名は"根源的破滅招来体"
地球に続々と出現する「根源的破滅招来体」。それは時に宇宙空間を超越して 現れる謎の怪獣であり、時に気象を司る不可解な巨大メカであり、時に妖魔のごとき呪術的怪物であったりする。こうした意欲的な新機軸の設定が、いわゆる怪獣演出にも拍車をかけ、姿形や超能力描写など縦横無尽なビジュアルショックが続出する。これら正体不明の外敵は、放送当時まことしやかに語られていた地球滅亡などの世紀末論とも重なり、一筋縄ではいかない強さで圧倒的に描かれた。まさしく『ティガ』『ダイナ』を経た怪獣表現蓄積の開花であり、コッヴやガンQ、ゾグなど、現在の子どもたちにも人気のウルトラ怪獣が誕生している。
no4
都市防衛指令、発令!
そしてこれら「根源的破滅招来体」に対抗するのが「XIG」である。雲上に設置された巨大な基地には空戦、陸戦、海洋戦、そしてレスキュー専門の各チームがスタンバイ。六角柱形態で格納されている通称・コンテナメカが、瞬時に航空機や機動車輌などに変型し、人々を襲う危機に果敢に立ち向かう。司令官である石室コマンダーをはじめ、総勢20人を越えるメンバーが活躍する様は圧巻であり、彼ら自身のバックボーンや我夢との交流によって紡ぎ出されるリアルなドラマの数々も、大きな見どころとなっている。
no5
その名は"根源的破滅招来体"
物語は、やがて地球に住む全ての命に思いを馳せる、劇的な展開へとなだれ込んで行く。そんな大激流の中で我夢と藤宮は、果たして何を目指すのか? 何を掴むのか?
かつて無い感動のフィナーレとしても評価の高い最終回へと連なる大河ロマン『ウルトラマンガイア』が、今、超高解像度映像となって、蘇る!
line