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 一大スケールで迫る映像美

『ウルトラマン』のハリウッドリメイク作品

『ウルトラマンパワード』は、映画の都として知られるハリウッドを製作拠点に1話30分・全13話が作られた特撮ドラマ。全編、初代『ウルトラマン』のリメイクが意図され、物語に今日的要素を盛り込み、人気怪獣にリスペクトを込め大胆にアレンジ。CGIをはじめとするデジタル映像技術が普及する直前時期の製作でもあり、アナログ技法ならではの怪獣の重量感は唯一無二の迫力を生んでいる。

 

本作は、英米テレビ映画の製作行程を踏襲し全編35ミリフィルムで撮影が行われた。円谷プロの実写特撮作品としては『ウルトラQ』以来の措置であり、『ウルトラマン』以降、主流となっていた16ミリフィルムの使用を見直し、画質を最優先させたものである。ここに収められる情報密度は約5倍の飛躍的な差がある。こうした状況から本作は、それまでのウルトラマンシリーズの中でも最高の画質を獲得するに至った。

 

今回のBlu-ray化にあたっては改めてオリジナルネガの検証を行い、最新の手法で丁寧なクリーニングやHD化作業が行われた。更に当時の撮影傾向なども考慮に入れながら画調を決定するなど、オリジナルネガのポテンシャルを最大限に引き出す事により、本作発表時をも上回る豊かで繊細な画像を実現させたものとなっている。

 

なお今回、主に第1話、第8話、第13話で一部の合成カットの中に、ビデオ合成で制作された後、キネコ処理でフィルムに戻されている箇所と、この合成後の映像が合成前のネガと差し替えられていない箇所がある事が判明した。戻されていない箇所の合成復元は、合成素材が現存しないなど再現が困難であるため、本作発表当時のVHS・レーザーディスク用マスターテープの映像を元にアップコンバート作業を行った。こうしたビデオ合成で制作されたカットはその工程上、35ミリフィルムの情報量の恩恵を十分には受けられないものの、これに再調整を加える事で、HD原版を完成させている。(左画像参照)

【キャスト】

 ケンイチ・カイ:ケイン・コスギ(森川智之) エドランド隊長:ハリソン・ペイジ(内海賢二) ジュリー・ヤング:ロビン・ブライリー(久川 綾)

 リック・サンダース:ロブ・ロイ・フィッツジェラルド(江原正士) テレサ・ベック:サンドラ・ギィバード(戸田恵子)/  他

 ※()内吹き替え版声優

 

【スタッフ】

 製作総指揮:円谷皐 プロデューサー:円谷一夫、渡辺繁 監督:キング:ワイルダー 特殊効果:ジョセフ・ビスコーシル

 音楽:佐橋俊彦 怪獣 & メカニックデザイン:前田真宏、樋口真嗣、三池敏夫

販売元:円谷プロダクション 発売元:バンダイビジュアル株式会社 ⓒ 円谷プロ

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